Etymotic Research
ER-4S
高い解像度とフラットな特性で脚色されない音質を実現。同シリーズのリファレンスとも呼べる機種です。
カテゴリ | ヘッドフォン |
---|---|
タイプ | カナル型 |
ドライバー | バランスド・アーマチュア×1基 |
再生周波数帯域 | 20〜16,000Hz |
インピーダンス | 100Ω |
感度 | 100dB/mW |
ケーブル長 | 約3.0m (Y字・ツイスター) |
プラグ形状 | 3.5mmステレオミニ (変換プラグ付属) |
カラー | ブラック (赤青モデルは廃番) |
重量 | 約28g |
[市場価格帯]参考値 :¥ -(2024.10.07)
ER-4Sはカナル型のイヤホンです。USの補聴器メーカーERがハイファイ用として開発したオーディオ用イヤホンとなります。
「ER-4S」は凄く質の高い音です。実際聴いてみないとなかなかイメージ出来ないとは思いますが「外観」や「見た目上のスペック」でモノを判断してはいけない事を思い知らされました。音に関して言えばそこらのイヤホンなど遙かに凌駕しています。まさに別格ですね。
全体的に非常に解像度が高いのが特徴的です。始めて一聴すると「なんか、言われてるほどでもないかも、、、」と感じられるかもしれませんが、ER-4Sを聴いた後にすぐ「いつものイヤホン」で聴くと分かります。「ん?あれっ?なにこれ?」っと。相対的に比較すると明確にER-4Sのアドバンテージが誰しもはっきりと聴き取れ、もう安イヤホンには戻れない状況となります。タイトで深みのある低音、ナチュラルな中音、そして繊細で艶やかな高音とまるでコンデンサ型の様な鳴り方で、エージングをする事でさらに音に磨きが掛かります。ER-4Pと比べるとフラットですね。全体的なバランスに優れ、脚色されない自然な音が素晴らしい。見た目がしょぼいのが認知されない原因かとは思いますが、本当にクオリティー高い製品です。タッチノイズがやや気になりますが、コードを耳の後ろからとり回し、クリップをなるだけ衣類の上部で固定する事で随分緩和されます。
密閉材として「白いポリウレタン製のキノコ型」と「黒いスポンジのイヤーウィスパー型」が付属してます。キノコの方がやや低音に厚みが増す傾向ですね。まぁ、ここら辺は、装着感と相談して個人の好き好きで選択すれば良いかと思います。
装着方法はややコツがいります。基本的には、耳の奥までねじり込む事が必要です。装着感は少々慣れが必要かなとは感じます。遮音性は抜群に良く、周囲の雑音はほとんど聞こえません。自分の呼吸音がうるさい位です。中途半端なノイズキャンセリングヘッドホンよりも格段に良い事は確かですね。ノイズの多い移動環境(新幹線・飛行機・長距離バスなど)ではこの遮音性とSN比の良さで十分に音楽を楽しめますね。
なお、一般的なヘッドホンとは違い耳に直接入れる為に頃合いを見てメンテナンス(グリーンフィルター掃除・交換)が必要です。外出時ポータブル使用がメインでしたら音量の取りやすいER-4Pの方が良いかもしれません。また、赤青モデルは廃番となりました。現行モデルはブラックのツイスターケーブルのみです。
ER-4Sについては「三段キノコの物理的エージング」が必要です。というのも新品のグレーの三段キノコは反発力が強く耳の奥の最適リスニングポイントでうまく静止してくれません。使用している内に「3段のカサ」がこなれてきてジャストフィッティング出来るように自然となります。
[ () ]
/の価格比較調査は毎日行っておりますが、最安値は常に変動しておりますので念のため各販売店の最新の価格を必ず確認して下さい。
※このサイトで掲載されている情報は、ヘッドホンナビにより管理・運営されています。価格、販売可能情報は、変更される場合があります。購入時に販売店に表示されている価格が、その商品の販売に適用されますのであらかじめご了承下さいませ。
※合計価格はあくまでも目安です。合計価格は『表示価格(税込)』+ 『送料(込の場合は+0円)』で算出しております。詳細は各販売店様にご確認願います。
いくらで売れるのか調べてみましょう!買い取り査定UPキャンペーンも頻繁に開催されていますので詳細は各店舗様にご確認願います。
買取店 | 買取上限金額(キャンペーン倍率適用価格) |
---|---|
¥ |
|
¥ |
クラシック | 4.4点 |
---|---|
ジャズ | 4.2点 |
ポップス | 3.9点 |
ロック | 3.5点 |
レビュー書いてみませんか?
クラシック | 5.0点 |
---|---|
ジャズ | 5.0点 |
ポップス | 5.0点 |
ロック | 5.0点 |
あなたのレビューをここに載せませんか?広く皆様からEtymotic Research/ER-4Sのレビューを募集致しております。貴方の「ハンドルネーム (特に希望のない場合は名無しさんと表記させて頂きます)」、簡単な分類ではありますが「各ジャンル評価点 (CLASSIC,JAZZ,POPS,ROCK) 各5点満点」と「レビュー文」を気が向いた時にでもメール頂ければ幸いです。
ER-4Sを1週間使ってみての感想です。
各ジャンルにおける評価点についてはエージングがまだのため未評価とさせていただきます。
私のレビューでは1週間使ってみて気づいたことを、良い点悪い点に分けて述べさせていただきたいと思います。
先に悪い点から。
●悪い点(気になる順)
1.タッチノイズが大きい
コード自体の材質がタッチノイズを拾いやすいことと、本体をかなり耳の奥まで突っ込むため、少しのタッチノイズがかなり響きます。耳の裏を通す装着方法(俗にシュアー掛けと呼ばれるもの)も試してみましたが、ER-4は装着した際、コードの付け根がかなり耳から離れたところから伸びているため、引っ掛けても落ちやすく、またコードの左右の分岐点までの長さが少し短く、実用に耐えることはできませんでした。
ただ、ネット上でのレビューにあるような、「風切り音が凄い」や「自分の足音が響く」、「自分の息がうるさい」などはまぁまぁの音量で音楽を聴けば、気にならないレベルです。
2.着け心地が悪い
これは今は解決した問題ですが、買った直後は困惑していたのでその感想と対処法です(3段フランジを使用)。
まず初期段階で感じるのは、”異物を耳の奥に入れるという違和感”そのものです。
これは自分の耳の穴の大きさに合ったチップを装着し、あとは正直慣れるしかないです。着けていくうちにチップ自体もこなれてきて、しっかりフィットするようになります。
ちなみに私は初日に5時間連続で装用するだけで慣れましたが、これには個人差があると思います。
次に感じたのは、”コードの重さ”です。
左右の分岐点から上は、かなり細いコードのために重さはあまり感じないのですが、分岐点には回路の入った筒型の仕組みがあり、その下のコードは少し太くて重いものが使われていて、それらを垂らすように装用すると、常に耳の穴が下に引っ張られるような感覚になります。
この対処法ですが、標準で付いてくるシャツクリップを分岐点に装着し、シャツの上の方で固定することで解消できます。
結果的に、今は”着け心地が良い”とさえ感じます。これにも個人差はあるでしょうが、結局慣れれば問題ない程度です。
3.コードが長い
コードが中途半端な長さのため、装用中は取り回しの不便さを感じます。
ポータブル用途で使用する場合は、コードワインダーはあったほうがいいと思います。
また収納も少し大変で、付属のポーチでは折り畳んで入れるまでに多少時間が掛かるために、少し小さいかなと感じます。
外出先などで収納しておくためには、DAPとER-4を一緒に入れておける、少し大きめのケースを用意しておけばいいかなと感じました。
4.見た目が悪い
これはさんざん言われていることですが、僕はそうは思いません。ER-4独特の、個性のある外観が好きです。
確かに表面的な仕上げは粗く、僕の個体は右耳に、プラモデルをニッパーで雑に切ったようなあとがあります。
でもそれも味があっていいじゃないか、と寛大な心で受け止めています。逆によく見ないと左右を見分けにくい黒モデルで、触るだけで左右を確認できるなんて素晴らしい(笑)
また左右違ったシリアル番号が、無機質的に表示されているのも、男心をくすぐります。
●良い点(良いと思う順)
1.音の解像度が高い
恐らくこれがER-4一番の特徴でしょう。音に対する瞬発力が素晴らしく、ソースを忠実に描き出します。良い録音環境で収録された曲は、アーティストが本当にすぐそばで演奏しているような”リアル”な感じを得ることができます。
逆に、ER-4はソースを選びます。録音環境が悪かったり、高圧縮音源等は聴いていて堪えられません(AAC192kbpsでもダメ)。また、アンプは必須です。iPod直挿しでもそこそこ良い音は奏でてくれますが、実力の半分程度しか出し切れていないように感じます。ER-4を楽しもうと思うなら、少なくとも何かしらのアンプは使うべきです。
反面、良いソースと良いアンプでER-4を用いれば、鳥肌が立つような”リアル”を感じることができるでしょう。
2.フラットな音響特性
ER-4Sは限りなくフラットに近い音響特性を持っています。しかも普通のフラットとは違い、鼓膜に到達するまでの音の変化を考えた上でのフラットです。つまり、”リスナーが聴く位置でフラットになる”、究極のフラットを実現しているということです。これは補聴器メーカーであるEtymotic Research社ならではの研究と経験の賜物であって、この姿勢がER-4の持つ魅力の一つになっていると思います。
さて、フラットな音響特性によって何が変わるかというと、”聴いていて違和感が無い”のです。ある周波数帯の音だけ強調されたりすることがないため、安心して聴いていられます。これは先述したリアルさにも一役買っていて、変に実体感を出したドラムやベースよりも、こちらの方がリアルに感じます。
ただ、所謂ドンシャリが好きな人にとっては物足りなくなるかもしれません。私はドンシャリがダメだとは思わない(音の好みの範疇だと思う)ので、確かにそう言われれば納得してしまいます。ER-4の音は一切の味付けが無く、モニター的で面白みが無い音だと言ってしまえば、その通りでしょう。
自分好みの音にするには、イコライザを用いるのがいいと思います。DAP内でソフトウェア的にイコライジングできる機種もありますが、できればアンプでイコライジングしてみてください。
先述のとおり、ER-4はアンプを選びます。それは同時に、アンプの持つ特性を全て描き出すということです。
それぞれのアンプは個性を持っています。自分好みの音を出すアンプを見つけるその過程、また見つけた時の満足感を愉しんでください。それがER-4の持つ”モニター的な魅力”の一つだと私は思います。
3.圧倒的な遮音性
ER-4はまるで耳栓のように装着することから、抜群の遮音性を持っています。
私の所有するBOSEのノイズキャンセルヘッドホン「QuietConfort2」と比較しても、断然ER-4が優れています。
ただし、本当に何も聞こえなくなるので、屋外での使用には注意が必要です。バイクや自転車に乗りながらの使用は大変危険です。
遮音性が非常に高いということは、どんなに騒音のある環境下でも小さい音量で音楽を聴けるということです。難聴の危険性を減らすことに一役貢献していると思います。
なお、音楽を再生せず耳栓としてのみ使用することは、タッチノイズの大きさもあって不可能でした(笑)
4.所有満足度の高さ
ER-4を使っている人は相対的に少ないです。多分知っている人も少ないでしょう。
”みんなの知らない、とても良いものを使っている”と感じることそのものも、ER-4独特の良さではないでしょうか。
5.オプションの豊富さ
購入時に付いてくるオプションの豊富さもさることながら、別売りしているオプションもかなり豊富なものとなっています。そのお陰で、ER-4は長く使える安心感がありますね。
6.オンリーワンの音作り
Etymotic Research社の音作りは、他社の製品の方向性とは大きくかけ離れています。
先日も述べましたが、他社は一般的に”音楽を楽しく聴かせる”ための音作りなのですが、Etymotic Research社は”音楽を忠実に再現する”ための音作りであるために、一概に他社製品と比較して音が良いだの悪いだのと評価するのは少し見当違いでは無いかな、と感じます。
ソースの良し悪しや、耳の形状による装着感の違い、また音作りの好みなどで、やはり人それぞれ良いと思えるイヤホンは違うはずです。だから”ナンバーワン”は正直決めることはできないんじゃないかと思っています。
ただし、ER-4は他とは一線を画すその独特な世界観から、”オンリーワン”な製品と位置づけるに相応しいイヤホンなのではないでしょうか。ER-4は、そんな説得力を持っているように感じます。
私自身、QuietConfort2とER-4Sは場面によって使い分けています。それはそれぞれが個性を持っていること、そしてER-4が”オンリーワン”であることに他なりません。
・・・と、書いてみれば既に沢山のことに気が付いているものなんですね。
音質については触れる程度に書きましたが、まだまだ使用時間が短いので、これからどう変化していくか分からないところもあります。
何年も使って初めてわかることもあると思うので、他の方のレビューも参考にしていただくのが宜しいかと思います。
このレビューを参考に、ER-4に少しでも興味を持っていただければ幸いです。
クラシック | 4.8点 |
---|
ER-4sを批評する。
試聴音源はクラシックに限定する。もとよりJAZZは大好きロックも聴くが、あえて音源に採用しはしない。理由として、ひとつは客観的な基準の存在。jazzやロックではCDの音はコンサートとはなはだしく異なる。そういう音楽では、何がいいのか結局は個人の好み以上の基準はない。しかしクラシックの場合は一応は原音が 存在し、それを基準に録音し再生することになっている(音楽会社のポリシーによって相当違うが)。もうひとつの理由としては、ぼくはPA装置の品質を全く信用していないということがある。(大半のPAははキンカンして耳を覆いたくなる音質だ。)
第一ラウンド VS STAX
この間、生まれて初めて指揮者の真後ろに座った。音が鮮烈で透明で、ソフトさや余韻などどこにもない。すべての音がきつくうるさく耳に突き刺さってくる。ピアニシモですらどでかい。弦楽合奏もキンキンしている。低音にもゆったりした量感などはない。ごく軽く薄くゴリゴリしている、いわゆるソリッドな低音だ。
あれからソロなども聞いたが、最前列はどれも似たような音だ。
こういう音がER-4sの音なのである。録音マイク(うんと離して5m近くて20cm)の位置を考えれば、好ましさは別とすれば、ER-4sが正しい音であるといっていい。STAXのSR-404やSR-001mk2は確かに心地よいけれど、その透明さと鮮烈さと遮音性で、家用としても携帯用としてもER4sが圧倒してしまった。
しかし、STAXにはまだSR-007がある。こいつはホールトーンをたっぷり拾い、ゆったりとした量感、透明で繊細な中高音、飛び切りのホールの中央席(一番高価な席)の音が聞こえる。信号そのままを再現するER-4sと最上席の音を演出するSR-007、この2つがあれば他機種はいらないとすら考えている。
さてSR-007は、本体が高いばかりでなく結構な価格の専用アンプも必要なうえ、電源環境にも敏感に反応し使いこなしが難しい。つまり表面的な金額プラス使いこなしの負担は非常に高い。対するER-4sは買ってきてただつなぐだけ。ほとんどバカヤスといっていいだろう。
第二ラウンド VS SR-007A Edition7 AH-D7000
上記二機種以外にもいいヘッドホンはないか。浮気相手探しをかねてダイナミックオーディオで試聴した。最初から雑魚など相手にしない。エースが相手だ。007AはSRM-727Aに、他機種はラックスP1に接続して試聴。ソースはバイオリン独奏。
結果だけれど、自然な滑らかさ、伸び、余韻が空間に広がる感じで、SR-007Aが他を圧倒している。007Aが描く音、その実在感たるやもう息を呑むほどだ。対する動電型はというと、いずれも伸びきらず硬くきつく人工的な感じ払拭できない。たとえていうと、STAXが人肌だとしたら、ほかはプラスチックかセメントだといえ るだろうか。この差は静電型は歪率や微小信号の再現性がめっぽう優れているからか。(ということは逆に、微小信号がない音源、歪だらけの音源、音場情報がない音源では、たとえばPAを前提にする音楽では静電型のメリットは出ないと思われる。)。
動電型のなかでは、Edition7が、同じ硬さといってもカラッとした明るさや抜けのよさという風に処理していて、これはこれで好ましい。ERとデノンは、硬い感じがそのままで、あまり好ましくない。
考察
2つの矛盾するかのような結果だけれど、こういうことだろうか。
ER-4Sの音色やバランスは前述のように最前列の音である。好き嫌いは別として、これはこういうものだと考えるしかない。次に、その再現性だけれど、直接音を聞いている限り、STAXとはあまり差がない。ER-4sはそれなりにさらさらしてきれいな音である。過渡特性も優秀。f特もフラットでD/Fレンジはどちらもひろい。S TAX 特にオメガ2との差が出るのは、余韻や自然さなどぎりぎり微細な音のところだ。STAXと比べればだが高域の質がややきつい。(その小さな差が愛好家にとっては天地の違いなんだがね。)
(なお、本稿ではSR-404をあまり評価しなかったけれど、普段にはSR-007を使うのでシグネチャはめったに使わないからである。もっと聴けこめばER-4sとの評価も変わるかもしれない。)
上記のように、ER-4sは相当の音質である。ヘッドホンアンプをとっかえひっかえ試聴したが、はっきり差が出る。一番の好みはやわらかさが出るムジカHPA-200。ラックスやテクニカは硬くあまり相性がよろしくない。iPODや携帯CDPにつないでER-4sの実力が出ているなどとは思わないほうがいいのではないだろうか。
あと、きちんと音場情報があるソースを使えば、ER-4sは奥行き高さを見事に再現する。よく言われる像が耳の間に横一列に並ぶのは、音場情報がないソースの場合だろう。すなわちロックポップスのすべてと、JAZZの多く。そういう音楽をER-4sで聴くのは苦しいと思う。
もうひとつ念のため、ER-4sの再生限界は16khzまでとなっているが、全く心配ない。ワイドレンジで全域に過渡特性がすばらしい。(そもそもほとんどの人が16khzを満足に聴くことはできない。)
なお、ぼくの持っているヘッドホンはERのほか、STAX、007 404 001mkII LambdaPro X-mkIII、SONY MDR-CD900ST
クラシック | 4.4点 |
---|---|
ジャズ | 4.1点 |
ポップス | 3.7点 |
ロック | 3.8点 |
Etymotic Research/ER-4Sに関するレビューです。ソースは全てCD。
購入直後は酷い音です。
また、使用方法は非常に難しく、説明書通りに用いてもうまくいかず、かなりの苦戦を強いられました。イヤープラグも精密とは言いがたく、音質を左右するものでありながら均一な結果が出ない(白プラグ)、種類により異なる、といったことがあります。その上、グリーンフィルタがおまけのものとあとから購入したもので音質が違う(見た目も違った)ということが生じてしまい(古い在庫だったのでしょう)、気づかず同時に使ったら左右差があった、なんてこともありました。品物としてもつくりが甘いです。
カナル型のものでもかなり奥に挿入するタイプなので、耳の構造上の左右差がやや強く影響します。これは定位においてイヤホンを左右逆にしても対照的に音像が配置されないことからわかります。低音域の不足が言われているようですが、キャナル(耳道)の気密性が保たれていれば普通には出ます。雄大、迫力、といった感じではないですが、ソースによってはうるさいくらいです。ただし、附属のものでは白プラグを使って黄色くなってから(油を吸い込んでいるのだろうか…)でないと気密になりませんでした。また、その時には耳道の気圧を大気圧にしないと耳を痛めたり、音のバランスが崩れたりします。ご注意を。音場は多くが耳と耳の間に広がります。空間表現はその解像度の高さに比べるとなぜか少し曖昧です。耳の左右差のためでしょうか…。
使い始めは高音域が一部強く、これはキャラクターとしてエージング(1000時間超えてます。200時間では足りません)後も多少ですが残ります。このあたりは、人によって(耳の特性が補正カーブと完全には一致しないので)違うと思います。シュアーの、同社イヤホン(E5cなど)専用の透明なイヤープラグ(s)が耳にあえば、多少スムースで違った感じが楽しめます。
イヤープラグとは別に、若干ですがプラスチックの響きの癖があるように思えます。単純な周波数特性以外の部分でもキンキンしている感じがします。このあたりの癖と解像度の高さが、音がクリップしているソース、密度感の薄めの(特に声がメインの)ソースではうるさく聞こえてしまい、つらいです。エージング前は聞いてるだけで疲れます。耳障りな音です。我慢です。イコライザがあれば聞くときだけ高音域の一部を少し落とすといいでしょう。クラシックではそれがあまり目立たず、好結果でした。
つべこべ書きましたが、耳に合い、使い方が苦にならなければ、hifiイヤホンとしては聞いた中では最高峰です。しっかりしたシステムでも聞く価値があります。ただ、スムース、美しさ、といったたぐいの色(?)づけは避けている感じなので、誰にでもすすめられるものではありません。さらに、ソースの機器がいまいちだとそっけなく、愛想がありません。
今のところ唯一無二の逸品ですが、一面における究極の到達点、という程の代物でもありません。確かに問題を、音質面でもそれ以外でも抱えています。ただし、私は買ってよかったと思っています。高いものですし、自分のシステムでの試聴が難しいものでもあるため、駄文ながら長々と書かせていただきました。
☆いまさらですが、ER-4Sのレビュー☆
ipodを購入後、付属のイヤフォンに満足できず、E4cを購入。ところがこれにも満足できず、今年(2005年)の6月にER-4Sを購入しました。
購入当初は、正直、思った程の音ではないな、という感想を持ちましたが、エージングが進むにつれて本領発揮。今では、驚く程の分解能と音像の定位、ものすごく自然な音に感激しっぱなしです。
ある女性ボーカルの曲のイントロに、雨の音と雷の音で始まる曲があるのですが、ER-4sでその曲を初めて聴いたとき、「あれ、雨が降って来た。雷だ。」と、本当に外で雨と雷が鳴っているように聞こえ、思わずあわててER-4sをはずした程でした。
また、ピンク・フロイドのCDに、ドアを開け閉めしてメンバーが家の中に入ってきて、何やらおしゃべりをしているところがあるのですが、そのドアの音、靴の足音がものすごくリアルで、本当に誰かが入って来たのかとも思ってしまいました。それほど自然な音を出すスピーカーやヘッドフォンには出会ったことがありません。
このイヤホンは、全域にわたって自然な音を出すのですが、特にパーカッション類の音はドキッとするほど絶品です。また、いろいろなレビューに書かれていますが、だらだらしていないタイトな低音も見事です。9月始めにスタックスのSR-303を購入し音の比較をしていますが、音像の定位、リアルさではER-4sの方が数倍勝っていると思います。装着感も使いはじめの頃は耳が痛くなったりしましたが、慣れてくると全く気にならなくなりました。
だたし、欠点は、よく言われているタッチノイズの酷さですね。私、天気のいい日は、自転車通勤をしているのですが、自転車に乗ってこのイヤフォンは使えません。風の音をもろ拾って、音楽を聴くどころではないですね。
今では、自転車通勤の時はE4cを使って、電車通勤の時や昼休みはER-4S、家でくつろぐ時はSR-303,就寝時はJBLの4311Bというすみ分けができています。
E4cを購入しましたので、改まってER-4Sのレビューを投稿します。
ER-4Sに関しては、初めて聴くと「なんじゃこりゃー」っていうぐらいの解像度の高さに驚きましたが、長い間使っていると、解像度の高さに関しては、耳が結構慣れてきて、ドンシャリしないので、どちらかというと長時間聴きやすい音質非常に上品な音ですね。よってやはり得意なのは、交響曲や、バイオリンの音、オペラ等の、音のレンジが高音よりであまり広くないジャンルには、非常に良く合います。
ただ、ピアノに関しては、クラシックピアノ以外は少々ダイナミックさに欠けると思います。ライブハウスの音というよりは、コンサートホールの音という感じですね。このイヤホンは得意なジャンルの音楽を聴くときは、まさに絶品です。逆に普通のROCK、POPS等を聴く場合には、楽曲には物足りなく感じるかもしれませんが、ボーカルの艶感がすごいです。
あと、さんざん既出ですがポータブル機での再生は出来るだけ、ヘッドホン出力の大きな機種が必須です。
まとめとして、ソースのジャンルを非常に選びますが、得意ジャンルの再生については、唯一の選択肢になると思います。個人的には、すごく良いイヤホンなんですが、慣れたつもりでも、かなり耳の奥まで差し込む特性上、結構耳が痛くなるので、最近あまり使ってません。装着性がもう少し良ければなお良いですね。モデルチェンジに期待します。
ETYMOTIC RESEARCHのER-6とER-4Sの感想です。
結論は、どちらも買ってよかったです。
外出したときMP3を聞くために、初めてのカナル式としてER-6を購入。ER-6iは白コードが耳からたれていても恥ずかしくない歳じゃないので却下。
このER-6がひどく気に入り、上の機種ならもっといい音かと思いER-4Sも購入。こちらの音もすばらしかった。どちらも演奏者と視聴者の距離感が劇的に短縮され、「音楽を聴いている」という満足感はほかのどのヘッドフォンより大きいです。ほかの所有ヘッドフォンはHD580、AKG501。オペラ、オケは前者、室内楽は後者でという使い分けをしてます。
ER-6とER-4Sの音の差は後者がよりダイナミック。音の粒もよりはっきり。でも私の音源ではおもったほど大きい差は感じませんでした音源がMP3程度ならER-6、ウチでCD、DVDをじっくり聞くときにはER-4Sです。
スタイルはER-6は悪くなく、耳に装着すると本体もコードも目立たなくなりアウトドア合格。ER-4Sのスタイルはいわずもがな、これを外で使う勇気はありません。
装着感はER-6は透明プラグがジャストフィット。コードが細いので取りまわりも容易。ER-4Sの透明プラグがどれも耳に合わず、ウレタンプラグでようやくフィット。装着感、使いやすさはER-4SよりER-6がずっと上回ります。出張の帰路、ER-6とMP3プレーやで音楽を聴くのが無上の(セコイ!)喜びです。
カナル式には、耳や頭が蒸れない、といううれしい夏のメリットがあります。もう夏はHD580、AKG501で聞く気になれません。コードのタッチ音はちょっとひどいけど、皆さんがやっているように、ちょっと工夫して対応すれば大きな問題ではないと思います。
まず、遮音性が高いとは聞いていたものの、実際に体感するとすごいと思いました。家族が近くでテレビを見ていても、ほとんど気になりません。白チップで多少異物感を感じたものの、装着にほとんど苦労せず、密閉がうまくいったせいかも知れません。
半年前からSTAXのBasic systemIIを使っていますが、基本的には、出てくる音は良く似ていると思います。Basic systemIIと比べ、オーケストラのごく小さな音での演奏などがとても良く聞き取れますし、楽器と楽器の音が混じることなく、良く分離して聞こえると思いました。Basic systemIIは、音に広がりがあり、また、空気が震えて音がしている感じ(当たり前なのですが)がとても良く、好きなのですが、如何せん開放型であるため、家電製品や人が動くことによる生活音にどうしても影響されるようです。
私事ですが、鉄道線路の比較的近くに住んでいるため、夏など窓を開けますと、音楽を聴く際、列車の音が気になることがあります。そのような時にも、ER-4Sの遮音性はとても高く、脳内定位が多少のデメリットではあるものの、それ以上の大きなメリットがあると感じました。寝ころがって聴くときも小さくて邪魔になりにくいですし、暑くて汗ばむ時期でも使いやすいと思います。
見た目と価格が合わない製品だとは思いますが(もう少し安ければいいのに)、個人的には金をためて手に入れようと、そう思ったヘッドフォンでした。
ER-4Sに関するレビューはネット上でたくさん目にしていましたが、大絶賛する人から酷評する人まであまりに毀誉褒貶が激しいので、一度自分の耳で確かめてみました。
白キノコの装着感は最高でした。E2の透明チップは一時間もすると耳が痛くなるのですが、白キノコはそんなことありませんでした。やわらかく耳にフィットする材質で遮音性も抜群でした。
音質に関しては、よく言われることですが、ソースに忠実で正確な音だなとの印象を受けました。
私はクラシックをよく聴くのですが、オーケストラの様々な音域、音色を持つ各声部が、ぼやけたりすることなく、くっきりと聞き取れたことに好感を持ちました。安いヘッドフォンのように音が団子状になってしまうようなこともありません。モニター向けという噂を聞いていたので、k240sのような味気ない音を覚悟していたのですが、想像以上に音に艶があり弦楽器の響きも大変美しいものでした。よくいわれる低域不足も気になりませんでした。
ただ、ヘッドフォンアンプはおろか、まともなプレーヤーすら持っていない私の貧しい再生環境では、絶賛されているような高音の伸びはさほど感じられなかったのが残念です。繊細で透明感があり、中音域に潤いがある音を求めていた私にとって、限りなく好みに近いイヤフォンなのかもしれません。似た傾向と言われているSTAXやK501も聴いてみたくなりました。タッチノイズに関しては噂通りで、窓から入ってきた風を受けただけでもゴウゴウいっていました。これがもう少し改善されれば、心おきなく電車内で使えるのですが……。